6月に入って気温・湿度共に上がり、汗ばむ季節になってきました。
6月は旧暦の和名で「水無月(みなづき)」とも言います。梅雨なのに水が無いというのも不思議ですが、この場合の「無」は無いという意味ではなく「の」という意味合いで使われているようです。陰暦六月は田んぼに水を引く月であったため、水の月=水無月といわれるようになったとか。
そんな「水の月」にぴったりな御菓子司ひらさわの和菓子を二つご紹介します!
一つ目は『水ようかん』
つるんとしたのどごしが爽やかな、この時季定番の和菓子ですね。
寒天に水を加えて加熱して溶かし、こしあんを加えて加熱し、型に流し入れて固めるのは羊羹と同じですが、水分の量を多くして柔らかく仕上げたものが水ようかんです。
当店の水ようかんは、北海道産あずきを丁寧に煉り上げた自家製こしあんを使用しており、上品な甘さに仕上げております。
前日の晩から水に漬けておいた小豆を火にかけ、沸騰したら水を入れて温度を60℃くらいまで下げ、再度沸騰したら豆の色で赤くなった水をきれいな水に換えます。そしてまた沸騰させたら水を捨て、きれいな水に換えたら一度沸騰させてから、弱火で二時間ほど煮ていきます。その後皮をきれいに取り除きよく絞って、水と砂糖を加えて加熱しながら煉り上げていきます。
あんこ取りと呼んでいるこの作業、かなりの時間と労力を要します。
そしてこの作業、すっっごく暑いのです!!ぐつぐつと煮え立つあんをかき混ぜながら煉り続けて、ちょうど良い硬さになるまで水分を飛ばしていくので、これからの時期は気を付けないと熱中症になりかねません。
皆さまに美味しいあんこを食べてもらうために、創業以来自家製あんにこだわり、現在は3代目店主の職人が手間暇かけて仕上げています。
店頭に並んでいるのはカップ入りの手ごろなお一人サイズですが、事前にご注文いただければカットしてお召し上がりいただける8~10人分の流し水ようかんも承ります。
ちょっとしたお手土産や、来客時のお茶菓子用としてもご利用いただけます。
二つ目は『水まんじゅう』
あっさりとしたこしあんの甘さとつるりとした食感の生地が特長で、名前のごとくするっとしたのど越しが、暑さを払う清涼感たっぷりの和菓子。透明感のある見た目も涼しげです。
まだ冷蔵庫がない頃に冷たい地下水に漬けて冷やすよう、葛に水に強いわらび粉を混ぜ、柔らかく炊き上げた生地を陶器のお猪口に流して固めたものです。
お茶請けや暑い日のおやつにぴったりな、御菓子司ひらさわの夏の風物詩をぜひお試しください☆